時間割変更があって、午後からの授業が空く。帰りのSHRまでの時間帯にダンス部に関連するいくつかの仕事を片付けることにする。

午後15時35分までにだ。

ダンス部に関する仕事量が蓄積し、あまり大きくなりすぎることは精神衛生上よくない。

なぜならば、ダンス部顧問をメインに生活の糧としているわけではないからだ。この仕事は正規業務の仕事を全力でこなした後の、その余力でもってこなすぐらいがほんとうはちょうどよいのだろうな。

この際、この午後に山積しているダンス部関連事項をいっきに裁いてしまおう。

各所ポイントを効率よくまわり、5つの周辺関連事項を無事にやり終える。

そして、その途中で昼食。

学校から少し離れたところ、年に一度か二度訪れるという頻度の、そんな感じの店がある。昼休み、なじみ客が大勢つめかける店。ああ店の名前さえわからない。昔ながらの喫茶店風の店で、おそらく同世代であろうと思われる、仕事をもった男性客がこんな感じで毎日つめかけているのだろうな、と。

店は女性3人ほどで切り盛りしている。山あり谷ありの人生経験豊富な、深みのある威勢をもち太っ腹な感じの女性やお人よし風の女性が働いている。彼女たちも同世代であろう。40代、50代から60代の人間が集う奈良のディープなランチタイム。

客のほぼ全員が常連なので、この俺だけが珍客となり、店を訪れるたび少しだけこの空間を歪めている感が漂うことになる。

異邦人が迷い込んだ風になる。

誰だか普段みかけない見知らぬ男がひとりいるなと。それでも店主であろうと思われる同世代の女性はこの俺に優しい。

定食のみそ汁は自分でよそうシステムであるようだが、俺にはそっとだまってよそってくれるし、まれびとを歓迎する微妙な佇まいを見せてくれている。AランチとBランチと少し軽めのランチ定食がラインナップしている。

この店を訪れる理由がある。

壁に浜田省吾のポスターが貼ってあるのだ。さすが同世代が切り盛りする店だ。浜田省吾のポスターが貼ってある店などそれまで知らなかった。

そしてその横にはギターが2本掛かっている。

なので年に1度か2度、何かの拍子には行くことにしている。

そして今日、新たな展開があった。

浜田省吾のポスターがこれまでの1枚から3枚増えて4枚になっていたのだ。びっくりした。店の壁が浜田省吾だらけになていたのだ。そうとう激熱なファンなんだろう。

少しだけこのことに関して同世代であろう女性店主と会話を交わしたくなっったが、もちろんそんな会話をすることもなく店をあとにして、残されたダンス部周辺関連事項に丁寧に取り掛かり、

そしてその業務を終えて学校に戻った。